『天使にラブソングを2』/1993/監督:ビル・デューク/米/カラー/2012.2.16記 ----------------------------------------------------------------------- 私はあまり同じ映画を何度も観ることはない。間隔が空けばまた別かも知れないが、基本的には一度で充分だと思っている。しかし、好きな音楽は何度も何度も部屋で流している。BGMとして今もお気に入りの曲を流している最中だ。 この映画を何度も観てしまうのは、そういう意味である。 ストーリーはよくある青春群像劇と言えるのかも知れない。勿論、面白いことは面白いのだが個人的には前作である『天使にラブソングを』の方がより面白いのでストーリーは二の次。 この映画に私が求めるのは『音楽』である。 ウーピー・ゴールドバーグのパワフルな歌声は、演じるシスター・クラレンスの破天荒な行動力にも通ずるところがある。だからこそ、彼女の歌声は活力を与えてくれる。それは物語の中でも、外でも変わらない。 様々な事情を抱える問題児たち。その複雑な問題を歌うことで解決へと導こうとするシスターたち。彼女たちも魅力的なキャラクターでコミカルなムードを演出している。特にシスター・ロバートは前作での「気弱でおとなしい引っ込み思案」というどストライクな性格を少しばかり下方修正してはいるが、明るく積極的なウェンディ・マッケナも実に可愛らしい。 他にも、歌に対して真っ直ぐ向き合えない不器用な生徒役に若きローリン・ヒルが当てられている点に注目したい。彼女のソロパートは耳心地の良いもので、ゆったりとした安らぎを感じつつ、しかし身体の芯から新たなエネルギーがふつふつと湧き上がってくるような、不思議な感覚を味わうことが出来る。 シスターたちも歌うシーンは数多くあり、『Ball of Confusion』ではとても聖職者とは思えない歌詞を熱唱したり、『Pay Attention』ではカンパを募ったりとなかなかにハジけた曲目が楽しませてくれる。『Ball of Confusion』ではシスター・ロバートはとてもアテレコとは思えないノリノリな演技で歌うシーンがとても可愛らしい。 そんなシスター・ロバートことウェンディ・マッケナは本人の歌唱力も高いのだが監督のイメージにそぐわなかったため、劇中では全て別人が歌っている。唯一彼女自身の歌声を堪能できるのはエンディングで流れる『Ain't No Mountain High Enough』である。是非一度、聴いていただきたい。 色々と脱線してしまったが最後にこの映画の魅力をもう一度明記しておく。 音楽云々より何よりも、シスター・ロバートはとても可愛らしい。この映画は、彼女を楽しむための映画である。 ----------------------------------------------------------------------- 記:うづき |
2012年2月18日土曜日
映画 『天使にラブソングを2』 物語よりも音楽よりも
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