『ダーク・シャドウ』/2012/監督:ティム・バートン/米/カラー/2012.6.03記 ----------------------------------------------------------------------- たまには新しい作品でも。 「わぁ……もう、「ティム・バートン」と白塗り「ジョニー・デップ」、「ダニー・エルフマン」の音楽が流れて、なんかしらの役で「ヘレナ・ボナム・カーター」が出るパターン飽きたわ~。チャリチョコあたりで飽きたわ~」 ※チャリチョコ=『チャーリーとチョコレート工場(2005)』 と、自分の顔がミサワになるのを感じながら思ったというのが公開を知ったときの率直な感想。 それでも一応「ティム・バートン」作品はおさえておこうという感じで期待しないで観にいったのですが、これが以外にもドハマリ! はっきり言って物語の構造としては今までの「ティム・バートン」作品の焼き直し感は否めないし、登場人物の描き方がちょっと薄味な気もしましたが(特にヒロイン)、70年代のアメリカ、ヴァンパイアや魔女の組み合わせが自分の趣味に完全に合致。あんまりにも自分の好きな要素ばかりなんで卑怯だ!とすら思いましたw。 「ジョニー・デップ」の手の演技は「ベラ・ルゴシ」あたりを参考にしたのだろうか?『エド・ウッド』での勉強がこんなところで役にたったとしたらそれもまた面白いめぐり合わせですよね。 ところで自分は以前EAから出ていた『SIMS2』というゲームにハマっていたんですが、そのゲームではレトロな田舎町の中で自分の作ったキャラクターを住まわせて自由に生活させるというもので、自分はこの映画のような街並みの中にまさにヴァンパイアのキャラを操作してパーティーを開いたりしてゲームの世界を満喫していたものです。そんなわけで映画の良し悪しはしばらく冷静に判断できないですが、最高に楽しめました。 コメディとして売り出していた気がしたんですが、間違ってはいないけど正直結構シリアスだったりバイオレンスな部分も多少あり、なんかその歪でどう括って良いかわからない感じも好み。親族以外は割りと殺すなぁ・・・とか。 あと直近のティム・バートン作品。具体的には『チャーリーとチョコレート工場(2005)』、『スウィーニー・トッド』、『アリス・イン・ワンダーランド』は、どれも自分が既にオリジナルを知っているせいで、あまり新鮮味がなかった。それに対して、今回の『ダーク・シャドウ』は全く知らなかった昔のアメリカドラマがベースになっていたのもまたよかったのかも。 ※今作『ダーク・シャドウ』は60年代の米昼ドラのリメイク映画化 そうそう、不良娘のキャロリン役の子は『キック・アス』のヒット・ガール役を好演していた「クロエ・グレース・モレッツ」で、素敵な成長の仕方をしていて本当これからもがんばって欲しいです。 ----------------------------------------------------------------------- 記:ツン |
2012年6月25日月曜日
映画 『ダーク・シャドウ』 僕の愛した風景
2012年5月22日火曜日
映画 『チャイルド・プレイ/チャッキーの種』 自身をぶち壊して得た自由
『チャイルド・プレイ/チャッキーの種』/2004/監督:ドン・マンシーニ/米/カラー/2012.5.1記 ----------------------------------------------------------------------- チャイルドプレイシリーズはチャッキーの花嫁から明らかなギャグ路線に進んだことはファンの間でも賛否分かれる所ではあるが、個人的には肯定派。三作目までの段階でホラー映画としてのマンネリ感、設定の苦しさが否めないと感じていたところに出てきた四作目の~花嫁は、見事にそこからの脱却に成功した作品である事は明白。 三作目あたりからすでにコメディ的な部分が強くなっている気がして、でも笑っていいのかどうか微妙な雰囲気があったのですが、四作目はもう奥さんまで登場して躊躇なくコメディとして捉えていいんだという制作者と鑑賞者の双方の意思の一致を感じ、安心して見れるようになりました。 元々チャイルドプレイと言えば殺人鬼チャールズ・リー・レイが警察の銃弾で瀕死の時、近くにあった人形にブードゥーの秘術で魂を移しなんとかその場をやり過ごし再び人間の体を手に入れるためにアンディ少年を狙う……。というのが前提の話だったのだが、三作目でそれが崩れ始め花嫁に至っては誰の体にも乗り移る事ができるブードゥーのペンダント登場でもはや自ら設定をクラッシュ。真面目さを捨てたその代わりに手に入れた自由がまた気持ちいいのなんの! 五作目に至ってはついに子供まで登場……。しかもグッドガイ人形がまさかのメイド・イン・ジャパンであることが発覚……。その場面で流れるなんか尺八っぽい音楽。悪ふざけにもほどがある。 子供の教育方針で夫婦喧嘩したり、チャッキーの花嫁の声を演じるジェニファー・ティリーが本人役で自虐的とも言える展開を見事に演じきっていたり、なんか間違った日本観がちらついたり、ジョン・ウォーターズやブリトニー・スピアーズが殺され、子供のために殺しをやめたいと思っても中々やめられないティファニーが電話でカウンセリングを受けたり、様々なホラー映画のパロディも盛り込んだりと大盤振る舞い。 花嫁が作ったコメディ路線を更に突き詰めた見事な快作。『え?あのシリーズ五作目なんてあったの?』って扱いを受けているのは映画のマニアック方向性的にしょうがないかなと思う反面、ちょっともったいないなとも思ってしまいます。 本作の公開時、人気シリーズにも関わらずミニシアター系扱いでわざわざ都内の映画館まで足を運んだ事。パンフレットが制作されていない、物販コーナーにあるグッズが全部前作の「チャッキーの花嫁」のものだったりとプッシュする気の欠片も感じない劇場の雰囲気を今でも鮮明に、さすがにもうちょい推してあげても……! と思ったものです。 そういえばリメイクと六作目を作るそうですが、リメイクはともかく六作目の方は子供まで出しちゃったのにどうするんだろう? 孫登場? そういや、チャッキーもう新しい体に執着しなくなってきているしホントどうなるんだろう? なんにせよ観にいきますが。 ----------------------------------------------------------------------- 記:ツン |
2012年4月22日日曜日
映画 『ゴーストハンターズ』 エンターテイメント全部のせ
『ゴーストハンターズ』/1986/監督:ジョン・カーペンター/英/カラー/2012.4.2記 ----------------------------------------------------------------------- B級映画を語る上で絶対に外せない映画監督、ジョン・カーペンター。そのカーペンターがコメディチックなカンフーアクションに挑んだのが本作。ホラーが多い監督の中では明るく楽しめる作品になっています。 それでもいつもの低予算的な味わいが良さがある・・・と思っていたら、彼の映画としては破格の予算がかかっていたとか……。お金に関係なくユルさを出せるB級の申し子! トラック運転手のジャックは中国人の友人ワン・チーにギャンブルで大勝ちし、その取立に婚約者と空港で迎えにいくというワンに付き添う事に。その婚約者、緑の目を持つミャオ・インが到着したのもつかの間、彼女はホワイトタイガーという闇組織に拉致されてしまう。売春目的のために高値で売りさばくのが目的。ジャックとワンはそれを追うが、その途中でミャオは編み笠を被り不思議な妖術を操る男達"嵐の三人組"に連れ去られてしまう。"嵐の三人組"は中国の伝説の怪人ロー・パンの部下であり、ロー・パンはかつてかけられた呪いにより実体を失っていた。その実体を復活させるためには緑の目を持つ女と結婚し東方の神にささげる必要があり、そのためにミャオを誘拐させたのだった。 ジャックとワンは霊能力者エッグ・シェンに助けを申し立て、その仲間とともにミャオ救出に向かう!というストーリー。 主演はカーペンター映画の常連カート・ラッセル。他のカーペンター作品では物体Xを燃やしたり、伝説のアウトローで大統領救出したりのカート・ラッセルだが、本作ではコミカルなトラック運転手。しかも戦闘ではあまり役に立たない面白キャラを演じてる。オカルト、カンフー、モンスター、コメディ、ラブロマンスなど等あらゆる要素をゴチャゴチャに配置して、それをあまり整理できていない感じがある。それはもちろんマイナス要素だが、ただその雑然としたユルさが個人的にはなんとも心地いい。ロー・パンはなんでアメリカのチャイナタウンで暴れてるの!?アメリカ人いい迷惑!!とか、ワンがレストラン経営者の癖にやたら強っ!とかツッコみながら軽い気持ちで見るととても楽しいタンターテイメント作品。 個人的なお気に入りは、嵐の三人組の登場シーン。何このスーパー戦隊並の無駄なポージング(笑) そういえば、穴から出てくる爬虫類っぽいクリーチャーと、フライング・アイのデザインが世界で活躍する日本人特殊メイクアーティストのスクリーミング・マッド・ジョージだとか。前者のクリーチャーは本当に一瞬しか出ないですが、フライングアイはグロテスクながらもどこかコミカルさもあるキャラクターで、かなり表情豊かでよく動いていてビックリしました・・……。凄いなぁ……。猿の惑星・創世記あたりを見て、いよいよもってCGのレベルが凄くなってきたなぁ・・・と思うようになってきた昨今ですが、やはりこういう造形物の魅力は強いなぁ、と再認識しましたね。 ----------------------------------------------------------------------- 記:ツン |
2012年3月15日木曜日
映画 『スーパー!』 シャラップ!クライム!
『スーパー!』/2010/監督:ジェームズ・ガン/米/カラー/2012.3.15記 ----------------------------------------------------------------------- 冴えないダメダメ中年男フランクには、人生で完璧だった瞬間が二つある。最愛の人と結婚できた事と、逃走する犯人の逃げた方向を教え逮捕に協力したこと。その最愛の妻がドラッグディーラーに取られてしまったフランクが落ち込んでいるところに神の啓示(おそらく妄想)が聞こえ、彼はヒーロー”クリムゾン・ボルト”(特殊能力なし、武器はレンチ)となって自分の妻を取り戻すため、そして世の中の悪と戦うために勝手に自警活動を始める。 この映画の中でヒーローが悪を倒すための暴力を全くかっこよく描かれていない。 むしろ悪人相手とは言えレンチで頭を血まみれになるまで殴打するクリムゾン・ボルトの姿は自身が犯罪者というか狂人そのものである。演出がどう見てもスプラッターホラー。ヒーローと悪人の暴力が全く等しいものとして描かれているのがこの映画の特徴であり、クリムゾン・ボルトは自身の主観的な正義感によって次々とレンチで人を襲う。それがたとえ映画の列に割り込む程度の悪だったとしても。 彼の行為が肯定されるかどうかは置いておくとして、しかし悪に対しての憤りや奥さんに対しての愛などフランクはむしろ純粋で優しい性格でああり、その事がこの行為の起点となっているのが面白い。 しかし、この映画のテンションを加速させる存在が、クリムゾン・ボルトがフランクである事に気づいたコミックショップの店員リビーである。彼女はクリムゾン・ボルトの相棒"ボルティー"となり、一緒に行動することにするが、独善的とはいえ純粋な正義感で動いているフランクと違い、コミックの世界と現実世界がゴッチャになっていて、感情的でとにかく悪をボコボコにできればなんでもいいと言わんばかりのボルティーの狂人っぷりはフランクもドン引きするレベル。 何せ相手を殺す勢いで躊躇なく暴力をふるい、狂喜している姿はそんじょそこらのヴィランを上回る外道っぷり。極め付けのセリフは「殺しちゃいけないと思わなかった」。ワォ!! 過激な暴力で埋め尽くされている映画ではあるが、決して暴力を肯定的に描いているわけでもなく、かといって盲目的な非暴力精神も感じない。暴力の代償についてもしっかり描かれ中立的な視点でスッキリとしない世界を生きていくしかない人々を描いている点が素晴らしい。オチも含めて爽快感などとは無縁ながらも色々な解釈が考えられるような結末など色々考えさせられる怪作。 "等身大ヒーロー"という点を追求した結果 これはもうヒーロー映画と言えるかどうかすらわからないものとなっている。 正義のあり方、暴力や狂気性と言った点で、『キック・アス』より重たく、『タクシー・ドライバー』よりはコミカルに、『ウォッチ・メン』よりだいぶ地に足ついた設定といったところだろうか? 個人的にお気に入りの場面は、ボルティー関連。完全自分の趣味の話になりますが、狂った女の子を見るのって最高に気持ちいですよね!ボルティーのあの正義を微塵も感じさせない狂気の笑いに首ったけです。あと彼女に正義はないですが、彼女の幼児体型っぷりは正義ですよね。 フランクが奥さんがいなくなった哀しみを慰めるためにペットを飼おうとするが、ペットショップに行きウサギを見ながら「自分に飼われるウサギが可愛そうだ」と言って結局買うのを断念する情けないくらいに繊細なこの場面もすごい好き。自己否定の塊っぷりに自分はもう感情移入しっぱなしでした。 ----------------------------------------------------------------------- 記:ツン |
2012年2月23日木曜日
映画 『極道兵器』 坂口アクションの前に銃器は不要!?
『極道兵器』/2011/監督:山口雄大・坂口拓/日/カラー/2012.2.22記 ----------------------------------------------------------------------- 片腕をバルカン、片足をロケットランチャーに改造されたヤクザが父親の仇を討つため大暴れ!な映画。 石川賢の漫画の実写版という事だが原作は未見。なわけでどれくらい原作のエッセンスを抽出しているかはわかりませんが、ただ映画全体に漂う荒唐無稽さや理不尽さからなんとなくその臭いは感じるなぁと思いました。 主演は『VERSUS』、『魁!男塾』などで驚異的なキレのマジ当てアクションを見せ付けた坂口拓。 映画の目玉はやはりヤクザが体に組み込まれた兵器を駆使して敵をバンバン倒していくという所なのだろう。 だが、坂口拓のアクションがあまりにも魅力的過ぎて、むしろ飛び道具なんて野暮なものを駆使されるとかえって興ざめするという非常にバランスの欠いた映画でもある。とにかく生身でのアクションのキレが凄い! 後半超長回しの1カットで延々と敵を倒し続けるシーンは圧巻。それだけのために見る価値はありかと思います。今日本が誇る素晴らしいアクションスターだと思うんでもっと活躍して欲しいなぁ…坂口拓。 ちなみにこの映画ってスシタイフーンっていう、こんな感じのB級テイスト全開でヤクザとかニンジャとか外国人ウケしそうなエッセンスを詰め込み、間違った日本文化全開のバイオレンス映画を連発しているレーベルなんだけれども、さすがのボンクラ映画好きの自分でもそろそろ食傷気味かなという気がしないでもない。一応『ザボーガー』と『冷たい熱帯魚』もこのレーベルなんで、それが少し救いと言えるだろうか。 しかしこれはこれでアメリカで言うところの『悪魔の毒々』シリーズでおなじみのトロマみたいなものだと思えば、このままショボいカルト街道を爆進してもらうのもいいかなぁ・・・なんて思っていたりなんかもして。 ただ自分の趣味としては着ぐるみや特殊メイクがショボイのはそれはそれで味わいがあってよし!と楽しく見れるのだが、CGのショボい映像ってのは結構キツかったりするんで、トロマと比べるとどうしても落ちる感じがしてちょっとツライと感じる面もあったりするんですよね…それさえなんとかなれば個人的にはどこまでマンネリでもついていけるんですが!とにかくがんばってもらいたいです。あ、途中からもう極道兵器のレビューじゃなくなってる(笑) ----------------------------------------------------------------------- 記:ツン |
2012年2月9日木曜日
映画 『ピラニア 3D』 家族で和気藹々と観よう
『ピラニア3D』/2010/監督:アレクサンドル・アジャ/米/カラー/2012.2.8記 ----------------------------------------------------------------------- この映画にとってストーリーなんて本当にどうでもいい。 どこまでもエロとグロ、それだけでこの映画は成り立っている。 ストーリー性やその他の要素なんて上記の要素を一本の映画として成り立たせるための添加物にすぎないのです。偉い人にはそれがわからんのです!わからんのが正常なのです!だからあなたは偉いのです! とにかくピラニアが派手に大暴れしてなんもかんも食い尽くす!人体破壊の量も半端じゃなく、比喩抜きで血の海状態。そしてピラニアが暴れない作品のテンションがダレる場面はとりあえず女を脱がして間を持たす!いやピラニアが暴れていても脱がす!高尚なことなんて何一つ考えていない!どこまでも徹底的にそれを追求している。 あまりにも単純明快すぎて逆に美学を感じるレベル。ここまで見ていて気持ちいい映画は久しぶりだな~とツンは感動しました。悪趣味は罪じゃないって誰かが言っていたけどホントだよな~ってしみじみと思わせてくれます。 でもこの映画、エンターテイメントとして意外としっかりした作りだと思うんですよ。サービス精神旺盛というかB級感をもっと徹底するなら正直もっとグダグダした映画でもアリなんじゃないかと思ってしまうぐらい。 しかし自分がこれを観たのは残念ながらDVD・・・これほど映画館で観なかったことを後悔した作品も久しぶりです・・・観たかったなぁ・・・3Dで無駄にやたら飛び出すピラニアとおっぱい・・・。 ちなみにツン的お気に入りのシーンはピラニアから逃げるために海にいる人間を轢き殺す事もおかまいなしで男がボートで逃げる場面。あの人の頭の中のDIO様が「関係ない、行け」って言ったんだろうなぁ・・・まぁガンガン轢き殺すわスクリューに巻き込まれるわで景気のいいシーンでしたよ。 こんな感じなんで真面目な人は観ちゃ駄目だと思います。そうじゃない方にオススメ。というかそれは今まで紹介自分が紹介してきた映画全てに当てはまるんだけどさ・・・。 僕はこの映画を“家族”で和気藹々と観てました。全員大ウケ。 ・・・アレ?じゃ、うちの家族って・・・。 ----------------------------------------------------------------------- 記:ツン |
2012年1月29日日曜日
映画ラジオ 第03回 『ホーボーウィズショットガン』
『ホーボーウィズショットガン』/2011/監督:ジェイソン・アイズナー/加/カラー/2011.12.24収録 ----------------------------------------------------------------------- 第03回『ホーボーウィズショットガン』 http://www.nicovideo.jp/watch/sm16826941 破天荒な内容すぎて盛り上がり10分越えちゃったてへぺろ(・ω ニコニコ動画です ----------------------------------------------------------------------- BGMはフリー音楽素材 Senses Circuit http://www.senses-circuit.com/ より、#09:Loop#104をお借りしました。/ ----------------------------------------------------------------------- 声:ヒロト ツン |
2012年1月26日木曜日
映画 『片腕マシンガール』 ファンタスティック・クレイジー・ジャパン!!
『片腕マシンガール』/2008/監督:井口昇/米/カラー/2011.01.26記 ----------------------------------------------------------------------- 弟を服部半蔵の末裔のヤクザの息子率いるいじめグループに殺された女子高生アミが、弟の復讐を始めるが、復讐に失敗し捕われてしまう。 左腕を切断されてしまいながらも、殺される前になんとか逃げ出す事に成功。 同じくいじめグループに息子を殺された夫婦の助力によって、なくした左手の替わりにマシンガンを装着し再び弟の復讐のためにアミは立ち向かう! シンプルな復讐劇。それも美少女がセーラー服で片腕がマシンガン・・・いかにも趣味丸出しなB級アイドル映画である。 ぼんくら映画好きな自分としてはこの時点でそそられる要素の塊のなのだが、他のこの手の映画との決定的な違いは主人公のアミ演ずる八代みなせの魅力にある。鬼気迫る表情、誰かを殺す度に啖呵を切るところなど本当にカッコよく、とてもこの映画が初の演技であるとは思えない迫力がある。目力もあるし。 主人公は腕にマシンガンを装着していて、敵は服部半蔵の末裔のヤクザという設定の時点で悪ふざけとしか思えないし、他にも腕をてんぷらにされるシーンや、中学生忍者隊(ジャージ姿)やら空飛ぶギロチンやらドリルブラやらも登場するしどこかうそ臭い日本感と全編に渡って悪趣味で過剰でチープな人体破壊と血しぶきの嵐で悪ふざけのすぎる内容だけれども、主役の演技の説得力のおかげでチープ感を悪ふざけでごまかすだけで終わらないカオスな笑いの雰囲気を作り出していて見ていてとても気持ちいい。 この手の安っぽさを笑いに変えるためには、どこか一箇所でも引き締まった要素がないとただの学芸会になってしまうのだが、この映画ではそれが見事主役によって支えられていて安心して最後まで映画を楽しめることができた。 個人的にはこういったグラインドハウス的な作りの映画としてはここ数年で一番好きな映画かもしれない。 そんなわけで井口昇監督の作品には最近とても注目しているツンなのであった。 グラインドハウス的なチープかつバイオレンスな物がお好きな方なら是非。このタイトルで片腕ドラゴンがすぐ思いつく人も見て損なし。 あとは三白眼美少女に睨まれたい人にもオススメ。 ちなみに日本で作られた映画ですが、アメリカの映画会社が出資していて日本での公開予定も当初はなかったようで、この映画はアメリカ映画に入るそうです。へぇ~。 ----------------------------------------------------------------------- 記:ツン |
2012年1月15日日曜日
映画ラジオ 第02回 『ブリューゲルの動く絵』
『ブリューゲルの動く絵』/2011/監督:レフ・マイェフスキ/波・瑞/カラー/2011.12.24収録 ----------------------------------------------------------------------- 第02回『ブリューゲルの動く絵』 http://www.nicovideo.jp/watch/sm16696893 ヒロト&ツンによる映画雑談ラジオ ※この動画はブリューゲル個人の名誉や人格を否定する内容ではありません。ブリューゲル本人はね。。 ニコニコ動画です ----------------------------------------------------------------------- BGMはフリー音楽素材 Senses Circuit http://www.senses-circuit.com/ より、#09:Loop#104をお借りしました。/ ----------------------------------------------------------------------- |
2012年1月11日水曜日
映画 『悪魔のえじき』 これがドイツのゆるグロムービー!
※グロ注意 『悪魔のえじき ブルータル・デビル・プロジェクト』/1999/監督:アンドレアス・シュナーズ/独/カラー/2012.1.10記 ----------------------------------------------------------------------- ドイツの最低低俗鬼畜馬鹿グロ映画は天下一品だ!と思わせるアンドレアス・シュナーズ監督の自主制作映画。 “1999年7月、3人の男たちが孤島に上陸したまま行方不明になった。その後、孤島の様子を撮影したフィルムが漂流してるのが見つかった。この映画は、傷つき、一部失われたフィルムを修復、再編集したものである。尚、当局はこのフィルムを手の込んだニセモノときめつけ、3人の男たちの捜査を打ち切った。彼らの消息はいまだに不明である。また、孤島の位置も明らかにされていない・・・。” このテロップから始まる本作。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」的な映画なのかと思わせるような文面だが、実は作品自体は全くそういった意図で作られていなかったりする。これは日本の配給会社が勝手に付け足したものだそうだ。何せ開始早々登場人物が引いたアングルで全員映っているし、見事にカット割もされている。場面転換もよくするし。こんな開始数秒でバレる嘘を堂々とつくというこのズッコケ体験は中々他の映画では味わえない。僕はこれを日独コラボレーションによって生み出された素晴らしいユルさとして評価したい。 船のトラブルで孤島に漂着した男達はしょっぼいブリキの仮面をつけた集団に捕まってしまう。しかも逆らった一人は早々に殺される。彼らはマイスター親子を中心とした武装カルト教団。よそ者や反逆者は容赦がなく殺され、死体はドクター・ジニアスというマッド・サイエンティストの実験材料として弄ばれている。残りの二人と、もう一人処刑されるはずだった元教団の中国人の3人は一旦開放され、狩りの対象として面白半分にこの教団に追い掛け回されることになる。 しかしこの3人は逃げるのではなく、組織と戦う事を決意する・・・ ストーリーは大体こんな感じである。はっきり言ってどうでもいい。 とにかく残虐ゴア描写の嵐。鉈で手や首が吹っ飛ぶのはもちろん、先が鉤状になっている鎖で肉やら脊椎やらを引っこ抜かれる。人体実験で腸はぐちゃぐちゃ弄られるし、戦闘中、攻撃は基本貫通するし血の量も申し分ない。ストーリー展開とあまり関係なくとにかく人体破壊映像がこれでもかと続く。これらをかなりしっかりとカメラに映している。じっくりとグロ部分を見せる映画は個人的にとても良い。(たとえチープでも) 話が進んでくると、ドクター・ジニアスによって作られたゾンビ軍団や、忍者まで出てきてスピード感皆無のユルい、でも異様にグロい格闘戦が延々と続く。ジェイソンもどきが出るは、空飛ぶギロチンまで出るはの大盤振る舞い。ちなみに船で漂流してきた最初の2人は途中であっさり殺され、もう一人の中国人まで途中で殺されてしまい、最終的にゾンビ戦の途中で唐突に現れた中国人の仲間二人が話を収めるというフリーダムっぷりに開いた口が塞がらない。 この通りどうしょうもない映画で、個人的には大好きだが普通の人にはとても薦めにくい映画でもある。だがこの映画からは制作者達の確かな愛というか、作品に全力投球している感があり、商業映画にはない力強さがあるのもまた 事実・・・だと思う。 切り株映画ファン、ゲテモノスキーな方は見て損のない一本。 ちなみに余談ではあるが、日本、イタリア、ドイツはどこも良いスプラッター映画を出している国で、僕は勝手に 『ゴアの日独伊三国同盟』と呼んでいたりする。ドイツって結構暴力表現にうるさい国だって聞いてるんだけど、 なのになんか妙にがんばっちゃうクリエイターが後を絶たないですよね。 かえってレジスタンス精神がむくむくと沸き起こるのだろうか? ----------------------------------------------------------------------- 執筆:ツン 絵:ツン |
2012年1月8日日曜日
映画ラジオ 第01回 『宇宙人ポール』
『宇宙人ポール』/2011/監督:グレッグ・モットーラ/英・米/カラー/2011.12.24収録 ----------------------------------------------------------------------- 第01回『宇宙人ポール』 http://www.nicovideo.jp/watch/sm16645376 ヒロト&ツンによる映画雑談ラジオ 初回からエイリアンやらアメリカンニューシネマやら話がそれる。 ニコニコ動画です ----------------------------------------------------------------------- BGMはフリー音楽素材 Senses Circuit http://www.senses-circuit.com/ より、#09:Loop#104をお借りしました。/ ----------------------------------------------------------------------- |
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