2012年4月29日日曜日

映画 『映画けいおん!』 表情以外の感情





『映画けいおん!』/2011/監督:山田尚子/日/アニメ/2012.3.30記

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 初めての記事を、アニメ記事から始めようと思った理由は幾らかあるが、最も大きな理由は「近くのレンタルビデオ店(TSUTAYA錦糸町店)が遠く、映画を借りに行きにくい」。 そういう、地理的な理由である。


 ……都心には、レンタルビデオ店が少ないのだ。


 話を戻そう。映画のけいおん。けいおんという作品に関して、私はあまり良い印象を持っていなかった。京都アニメーションの作る、京都アニメーションらしい日常作品だよな、という印象だった。



※これを見た時もタイミングが上手いな、素晴らしい戦略だという感想だった。


 一期も二期も流し見していた作品の映画を見に行こうと思ったのは 私の良き理解者であり友人であり恩人であるアニメ関係者から誘われたからだ。ならばよし、と意気込んでけいおんの復習をしてから劇場へ向かった私を待っていたのは、けいおんという世界と京都アニメーションの徹底ぶりだ。


 これほどロンドンのロケハンを行ったアニメ映画はない。京都アニメーションといえば綿密なロケハンが得意であるが、予想以上であった。見ていてまず「ロンドンに行きたくなる」映画であった。構図やレイアウトも勢いがよく、なおかつ女の子を可愛く見せることに重点をおいている。 その上で、一般層も取り込むために、目の大きさを工夫している。作品の流れも時間の流れがはっきりしており、日常描写を得意とする作品でありながら成長が伝わってくる作品だった。


 だが、ストーリーだけが魅力ではない。


 これまでアニメ作品でありつつ、一般層も意識した作品であるというのは幾らかあった。有名どころでは、スタジオジブリの作品だろう。だが、けいおんはオタク向け作品→一般向けというアプローチをしている。無論、TBSの全面協力による広報展開などメディア戦略はあっただろう。しかし、それを形にするのは困難である。だが、山田監督はそれをやってのけた。映画けいおんはオタクだけでなく一般層も劇場に足を運ぶ作品となっていたのだ。



※女の子を可愛く描くという点に着目して欲しい。


 スタッフも女性が多く、女性が見ても可愛い服や仕草などが取り入れられている。「可愛い」という点に置いては素晴らしいアニメであった。そして、私がそれ以上に心を打たれたのは「表情以外の感情」である。アニメ映画において、キャラクターの感情を出力するのは表情だ。しかし、脚だけのカットや、背中のみのカットなど、表情が映らないカットが非常にあった。だが、仕草でどのような感情が出ているかが分かるのだ。顔以外で感情が、伝わるのだ。非常に、ここまでできるものかと思わせる作品だった。京都アニメーション。なかなか素晴らしい映画を作ってくれたと思う。アニメ映画と馬鹿にせず、可能であれば観に行って欲しい。


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記:ゆとり王


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